遺産相続が負の遺産になる時代ってホント?
遺産相続は必ずしも、プラスの側面ばかり持っているとは限りません。被相続人に内緒の借金があった場合など、非常に厄介な事態になります。遺産相続が負の遺産になるケースを詳しく見ていきましょう。
1. 被相続人に負債がある場合
被相続人に負債がある場合、生前口にしづらい話題でもあり、なかなか外部からは負債を持っていることはわかりにくいものです。
そのため、相続人は被相続人に借金があるかどうか調べることができます。
銀行への借り入れは、全国銀行協会に申し込みを行って、調査することが可能です。
クレジットカードの使用状況を調べるにはCIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)、
個人消費者金融につきましてはJICC(指定信用情報機関 株式会社日本信用情報機関)に依頼をして調査する方法があります。
負債の種類を把握できたら、相続放棄の手続きを行います。
しかし、被相続人が誰かの連帯保証人になっていたり、知らないところで借金をしていたりした場合は負債を見つけにくいものです。
その場合は、家庭裁判所で「限定承認」を行います。限定承認は、負債の部分のみ財産放棄をすることが可能です。限定承認は、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申告する必要があります。相続人が複数あるときは、精算の法律関係が複雑化するのを防止しようとする目的から、相続人が数人あるときは相続人全員が共同して行わなければならないというきまりがあります。このため、限定承認は手続きが大変です。
2. 納税の現金が用意できない
納税は現金で一括して行わなければならないため、不動産を相続した場合はまとまった現金を用意するのが難しくなる傾向があります。相続した不動産を売ろうにも、なかなか申告期限までに売れなかったり、想定していた価格で売れなかったりする場合があります。そのような事態を避けるために、不動産については生前のうちからどのように相続を行うか、家族で話し合っておくことが重要です。そして何よりも納税額を下げられるように不動産の評価を下げることを考えていかなければなりません。
専門家の意見も取り入れながら、不動産相続に臨みましょう。
3. まとめ
相続が発生した場合、遺産を受け継ぎたくても万が一負債があることを考えて躊躇してしまう相続人はおられるでしょう。そのようなときに負債を見つけられる方法や、相続放棄の方法を知っておくことで自分の身を守れるようになります。