相続財産って平均するとどのくらいもらえるものなの?

家族がいる限り、あなたも今度どなたかの相続人となる可能性は高いでしょう。そんな中、実際にどのくらい相続財産をもらえるのか気になる人は多いでしょう。また、周りの人は相続でどのくらいの金額をもらっているのか、どういう使い方をしているのか、興味は尽きません。しかしなかなか表立っては口にしづらい話題です。実際のところはどうなのでしょうか。

 

1. 相続財産の平均は?

フィデリティ退職・投資教育研究所が相続人5000人に聞いた調査によると、平均相続額は3548万円となっています。資産構成は、現金・預貯金が51%、不動産が30%、有価証券は15%という内訳になっています。
また、20代、30代の3割以上が生前贈与を利用しているということも分かりました。教育資金贈与、住宅取得資金贈与、結婚子育て資金贈与などの制度を利用しています。
世代間の資産移動を進める政府による制度が、意外にも多く利用されているという結果になりました。

2. 相続遺産の使い道は?

相続人の内7割の人が相続遺産をそのままの形で残しています。また、受け取った預貯金を投資に回している人は7%に留まります。相続投資経験者で、相続時の年齢が30代の方が多く、およそ10%の方が現金預貯金を投資に回しています。
相続額が3000万円を超える人の17%が相続分を投資に回したと回答しています。
相続額が多いと、相続税対策等で投資を行う人も増えるようです。

3. 相続が発生したときの相談相手は?

相続人の1/3が相続について誰にも相談できなかったと回答しています。残りの2/3の人は、家族に相談することが多く、過半数を占めています。専門家への相談は1割に留まります。専門家に相談した人は、会計士、税理士に相談する人が多いようです。
家庭裁判所における遺産分割紛争件数は年に1万件を超えています。審理期間は1年以内が多いですが、中には3年以上係争が続くケースもあります。データから見ても専門家に相談する方は少ないですが、一人で悩まずにできる限り専門家の知識を得ながら協議を進めていくことが賢明です。

4. まとめ

相続は金銭問題に感情がからむため、非常にデリケートな話題ですし、人がどのくらいもらっているのか、どのように運用しているかなどはなかなか人にも相談できないまま悩んでしまうことがあります。相続人の中には、周囲の人が皆遺産を狙ってくるように感じてしまい、誰の力も借りづらくなってしまう人もいるでしょう。ただ、長い間親族で争って心身の疲弊をしたり、時間を無駄にしたりするよりは、相続問題を多く扱ってきた専門家の力を借りることも判断材料の一つとして検討してください。

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