誰もが悩む不動産相続!鑑定方法ってどんなもの?法律は?
「不動産」は見る人によって価値が異なるため、相続財産の分割時に最もトラブルになりやすい資産です。
加えて相続について定める民法などの法律も、「遺産分割時の評価方法は〇〇法にすべし」と、利用すべき不動産の鑑定方法までは定めていません。
そのため、分割協議時の不動産の評価方法は実に様々で、。
〇 固定資産税が高いから土地の価格も高いはず
〇 隣の土地が〇〇円で売れたからウチも〇〇円くらいのはず
〇 この土地を事業に利用すると××円の収益が見込める
相続人間で様々な主張が飛び交います。不動産の鑑定方法は様々なものが存在するため、これも当然の流れと言えるでしょう。
そこで今回は、不動産の鑑定方法として代表的な、
〇 収益還元法
〇 取引事例比較法
〇 原価法
の3要素をご紹介! それぞれの概要を解説しようと思います。
鑑定方法その1:収益還元法
収益還元法とは、不動産を持ち続けたとして、将来的にどれくらいの収益が得られるかをベースに資産価値を決定する方法です。
収益物件の価値を決める時などに使いやすく、現況がアパートやマンションである場合に特に有効だと言えるでしょう。
ちなみに収益還元法には、
1、直接還元法
2、DCF法
の2種類が存在します。
直接還元法とは?
直接還元法は、1年間で得られる利益を還元利回りで割ることで求める手法です。
シンプルな評価方法ですが、還元利回りの金額設定により、資産価値に大きな差が生じます。
DCF法とは?
DCF法とは、不動産の将来的な収益を現在価格に換算した評価方法です。
将来手に入るお金(収益+将来の売却価格)を現在のお金に返還して点が特徴。直接還元法と比べるとややこしい評価方法ですが…資産運用を考える方には納得の行く評価方法です。
鑑定方法その2:取引事例比較法
取引事例比較法は、文字通り他の似た条件の物件の取引価格を参考にして、不動産の価値を鑑定する方法です。
もちろんそのまま他の土地の取引価格を当てはめるのではなく、地域的要因や個別的要因の比較を行った上で、修正をして最終的鑑定額を導くのでご安心を。
取引件数の多い地域であれば、新しい取引事例が多く市場全体の動向も掴みやすいので、鑑定方法としてかなりの信頼性を発揮します。
鑑定方法その3:原価法
今ある不動産を再度調達するとしたら、どれくらいの費用がかかるかを参考にして資産価値を鑑定する方法です。
同じものを調達するために必要なコストを「再調達原価」と言います。原価法では建物の築年数や土地の造成費用等を勘案し、修正することで「再調達原価」を導きます。
一般的な方でもイメージが掴みやすく、わかりやすいのではないでしょうか。