相続税の対象となる財産・ならない財産とはどんなもの?
国税庁は日本の相続税の対象財産について、「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と定義しています。
そのため、動産・不動産問わず原則的にはありとあらゆるものが相続税の課税対象となりますが、中には対象外となる資産も存在します。
今回は、相続税の対象となる財産やならない財産を見てみましょう。
相続税の課税対象となる財産
金銭(外貨も含まれる)や不動産・有価証券などが該当します。少し意外かもしれませんが、ゴルフ会員権なども相続税の課税対象です。
その1:金融資産
現金や預貯金です。未収利息なども相続税の課税対象となります。
その2:不動産
日本の法律は住宅と土地を分けて定めており、それぞれが独立した課税資産となります。もちろん、居住用物件以外の賃貸用アパートや農地・採草放牧地などの所有権も対象です。
その3:不動産に対する権利
不動産にまつわる相続税の課税対象は、所有権だけではありません。地上権などの権利も課税対象です。
その4:有価証券
このあたりを対象外財産と考える方は、あまりいないかと思います。
その5:動産
自動車や貴金属・宝石や芸術品・高級家具などが該当します。
基準はやや難しいですが…基本的に自由にお金に換えられるものは全て課税対象となるでしょう。
逆に言うと、損耗が激しく中古ショップでも買取拒否されるような状態のものは、課税対象となりません。
その6:権利
ゴルフ会員権や著作権・特許権などが該当します。
電話加入権も相続税の課税対象ですが、以前と比べて随分と価値が下がっていますよね。
その7:仮想通貨
仮想通貨は国家が発行する通貨ではありませんが、金融庁が「貨幣機能がある」と認識しているため、相続税の課税対象財産と考えられています。
ただし、パスワードを喪失して保管場所へのアクセス手段がない場合など、まだまだ議論の余地がある部分です。
その8:動物
動物は日本の法律では動産に該当します。
そのため、ペットや家畜なども相続税の課税対象財産です。
相続税の課税対象外となる財産
以下のものは相続税の対象外です。ご心配なものがあれば、チェックしておくと良いでしょう。
その1:礼拝道具
仏壇や墓石・神棚・位牌などは相続税の対象外財産です。そのため、相続対策として生前にお墓の準備をする方も多く、増えてきています
その2:死亡退職金の一定額
死亡退職金は一定の非課税枠が設けられています。そのため、その範囲内なら相続しても税金を支払うことはありません。
その3:生命保険金の一部
過去何度か触れましたが、生命保険金には一定の非課税枠があります。
その4:弔慰金
弔慰金も非課税枠が設けられています。金額は意外なほど大きく、業務上の死亡の場合は給与の3年分が非課税です。
その5:幼稚園・養護学校などの事業用財産
幼稚園や養護学校などの事業用財産(土地や設備など)は、相続税の課税対象外です。ただし、対象外と見なされるには法律上の要件を満たさなければならず、専門機関の利用が望まれるところです。