還付金は課税対象?相続税申告後の入出金について
相続税の申告は、遺産相続において欠かすことができない手続きです。
ところが、皮肉なことに人間が死に近づいたり亡くなってしまうと、高額療養費や葬祭費・税の還付金など、入出金の機会は増大します。
今回は、これらの項目は相続税として計上するべきか否かについて個別に解説。相続税申告時のお役に立てていただければと思います。
1、未支給年金
年金受給者が亡くなると、当然年金の受け取り権利は消失します。
年金は2か月に1回支払われるため、本人の死後も生前期間の分だけ遺族に受け取る権利が生じます。
ただし、未支給年金は受取人固有の資産として扱われ、相続税ではなく所得税により課税されます。
2、高額療養費
高額療養費は、医療費の過大な負担に対して家計に配慮した制度です。
日本では高額療養費を相続財産として見なしており、相続財産として形状されます。
3、葬祭・埋葬費
葬祭・埋葬費はそれぞれ、国保や健康保険から支給される費用です。
国民健康保険法及び健康保険法により、これらの費用は課税することができないと定められており、非課税となります。
4、死亡一時金
国民年金は、加入者本人が年金を受け取ることなく死亡した場合、一定金額の一時金を支払うことを規定しています。
支給額は保険料を納付した期間により変動しますが、国民年金法は老齢年金及び付加年金以外の給付金に対して租税を課すことを禁じています。
そのため、死亡一時金も課税されず、相続税の申告に参入する必要はありません。
5、税の還付金
相続人の死去に伴い、戻された所得税や住民税の還付金は相続税の課税対象となります。
支払いが被相続人本人の死後に生じたとしても、潜在的な請求権は被相続人にあると考えらえるからです。
6、還付加算金
還付金と異なり、所得税の課税対象として扱われています。
これは、還付加算金が確定申告の提出により生じるものであることを考慮して、相続人固有の財産として考えられるからです。
7、保険の過誤納還付金
被相続人の死後に生じた保険料の過誤納金に係る還付金は、相続税の課税対象です。発生事由が返金に過ぎないからと考えられています。
8、臨時福祉給付金
消費税増税により交付されたお金です。
消費税が8%に引き上げられた時の給付金ですが、これは相続税の対象として申告内容に含まれています。
なお、記事発表時点で、消費税10%への引き上げが議論されている途中です。現段階では未確定ですが、10%引き上げ時にもこの給付金が導入されるとの見方もあります。