相続トラブルの対応方法とは?被相続人の立場から解説
今回は「被相続人の立場」から、相続トラブルの対応策を解説しようと思います。
相続する側とされる側では、当然できることが違います。死後も大切な家族が仲良くいられるかは、ご自身の采配に委ねられているのかもしれません。
「まさか、ウチが…」と不安を感じた場合、対策を検討されてみては如何でしょうか。
トラブル1:財産の全容を巡って争い
皆さんは、子や兄弟の財産をご存知でしょうか?
日本人はお金に関する話題を避ける傾向にあるため、子や兄弟の財産をご存知ない方も少なくありません。
そのため、死後になって他の相続人に対して、「財産を隠していないか?」と不信感を持つケースが見られます。
対応策は?
被相続人が財産目録を作成すると良いでしょう。
ご自身の財産を明らかにしておくだけで、この手のトラブルは対応できます。
トラブル2:不動産を巡って争い
土地や建物などの不動産は、分割が難しくトラブル頻出の財産です。
特に相続資産の割合が不動産に偏っている場合、「誰が相続するか?」だけでなく「均等に分けるにはどうすべきか?」と議論を呼びます。
対応策は?
常に話し合いの場を設け、生前のうちに家族会議を行うのが賢い手です。
不動産の分割方法に、正しい回答はありません。
どのように分けても不均衡が生じ、争いの可能性ががゼロになることはない資産です。家族が集まり意見を交わし、「家族ごとの対応策」を導き出す必要があります。
トラブル3:生前贈与による不均衡
生前贈与も、相続トラブルを誘発する原因の1つです。
同居の家族や長男に対して、自宅を建ててあげたりする行為が該当します。生前贈与は親としては「当然」であっても、子にとっては「不公平」です。
実際、生前贈与による財産の持ち戻しを巡る訴訟は後を絶えません。
(贈与を受けた兄弟の相続分を割り引くよう争う)
対応策は?
極端に不均衡な贈与を避けるのが第一です。
贈与時はなるべく公平さを保てるように配慮して、争いの芽を避けましょう。また、どうしても贈与する場合は、どのくらいの費用を拠出したのか、明らかにしておくと無難です。
トラブル4:偏った遺言
遺言を記す以上、法律通り杓子定規に分割する必要はありません。
しかし、遺言の内容があまりに偏ると、当然争いが生じます。遺言の内容はご自身に委ねられているため、慎重な判断が必要です。
対応策は?
遺言はどのような内容であれ、「遺留分」に配慮して記すべきです。
遺留分は子や配偶者などに認められた、必要最低限の権利。侵害すると訴訟を避けることはできません。
どうしても遺留分を超える財産を相続させたい場合は、強硬策ではなく、話し合いや家族会議で対応することをオススメします。