不動産の相続問題を起こさないために、遺言書を作成しよう
相続の際、特にもめることが多いのが不動産についてです。
不動産が相続する財産に含まれている場合は、あらかじめ何らかの対策をしておくことをお勧めします。
その対策の一つとして、遺言書の作成があるのですが、具体的にどういった意味合いがあるのでしょうか?
不動産を相続する際の問題点とは?
自分が亡くなった時には、家族に財産が相続されます。
その財産のうち、現金や預金、有価証券などは分けることが難しくはないため、問題なく財産分与ができるでしょう。
しかし、不動産だけは事情が異なります。
不動産は、一つ当たりの単価が高いものです。
また、これまで自宅としていた不動産に、誰かが今後住みたいと思っている場合は売らずに相続する必要があります。
もちろん、相続する人数で割るということも難しいでしょう。
そういった理由から、不動産の相続についてはトラブルとなりやすいのです。
それを防ぐためには、あらかじめ誰に不動産を譲るのか、という遺言書があるとトラブルが起こりにくくなります。
相続の際に、遺言書があるとその内容は尊重されます。
最近ではエンディングノートを作成している人もいますが、エンディングノートには本人の意思を示すことができるだけで、法的な強制力はありません。
しかし、正しい遺言書には法律上の強制力も伴うのです。
遺言書には3種類ある
相続に関しての指示を残す遺言書ですが、その作成方法によって3種類に分けられています。
遺言書は、種類によってどう異なるのでしょうか?
まず、自分で作成する遺言書は自筆証書遺言といいます。
ペンと紙さえあれば作成できて、コストも特にかからないのでこの方法を選ぶ人も多いでしょう。
しかし、自筆証書遺言の場合、その内容に一つでも不備があれば、無効とされることも多いのです。
また、本当に本人が作成したのかという検証も家庭裁判所で行われます。
こうした問題を防ぐために、作成してから専門家に確認してもらうことをお勧めします。
自筆だと不安という人の場合、公正証書遺言を作成したほうがいいでしょう。
これは、公証人に作成を依頼する遺言で、作成した後は公証役場でその原本を保管してもらうことになります。
病気で手が不自由な場合でも作成できるため、便利な方法といえるでしょう。
ただし、公正証書遺言を作成するにはコストがかかります。
また、遺言書の内容を秘密にしたい場合でも、公証人が2人いて作成することになるため、秘密にするのは難しい場合があります。
自分で作成した遺言書を公証役場に保管してもらう場合は、秘密証書遺言となります。
秘密証書遺言は、2人以上の承認を用意したうえで公証役場に赴き、保管を依頼することとなります。
内容について公証役場に知られることがないのがメリットですが、自筆証書遺言と同様に不備が生じる可能性もあり、また遺言の有効性を確認するために家庭裁判所で検証してもらう必要があります。
この3種類の中で、最もおすすめの遺言は公正証書遺言となります。
ただし、内容を知られたくない場合などは自分で遺言書を作成し、その内容に不備がないかを専門家に確認してもらった後で、秘密証書遺言として公証役場に保管してもらいましょう。
まとめ
遺言といっても、実際にはいくつかの種類があります。
簡単に作成するなら自筆証書遺言、作成に自信がない場合は公正証書遺言、内容を秘密にしたい場合は秘密証書遺言がおすすめとなります。
遺言は、財産について自分の意思を残すための手段です。
特に、不動産を相続する場合はトラブルとなることが多いので、誰に相続させるのかをしっかりと記しておいた方がいいでしょう。