遺言通りに分けると大損!?相続税は分け方が重要

「妻に全ての財産を相続させる」

「親不孝ものの子Aには一切の財産を相続させない」

このように、遺言は必ずしも合理的な理由により作成されるとは限らず、時としてご自身の感情や好悪により判断が行われます。

ところが、遺産相続において避けて通れないのが相続税。遺言の内容如何によっては、莫大な相続税を課されてしまうこともあるでしょう。

今回は、遺言と相続税に役立つ3つの知識をご紹介。

それぞれを概説しようと思います。

ポイント1:2次相続に要注意

日本の相続制度は夫婦間の相続を特に優遇しており、夫から妻へ・あるいは妻から夫へ遺言相続が行われた場合、1億6000万円もの配偶者に税額軽減が適用されます。

ところが、夫婦間は親子に比べて年齢が近いため、遺言を受けた配偶者がすぐに亡くなってしまい、再び相続が行われることが少なくありません。(これを、2次相続といいます)

こうなると大変なのが、遺された子どもたち。

2次相続が行われた時は既に配偶者がいないため、最早配偶者控除を適用することができません。

更に配偶者が自身の持参を保有している場合、相続財産に配偶者の資産が加算され、税率が上昇してしまいます。

もちろん、2次相続においては法定相続人の数も減ってしまうため(配偶者がこの世にないため)、法定相続人による基礎控除額も減少します。

相続税として見ると、大きな損失を言うしかありません。

ポイント2:遺言の内容は変更できる

実は遺言による相続内容は、本人の死後も変更できます。

日本の法制度は相続人全員が同意をすれば、遺産分割の方法や対象財産において、遺言の内容を適用する必要がないと定めています。

そのため、相続税の観点から遺言の内容が好ましくないと判断される場合は、専門家や専門機関の助言をベースに相続税を意識した分割方法を取るご家族も。

遺言は尊重されるべきものですが、相続税の観点から好ましくないと考えられる場合、やむを得ない判断と言えそうです。

ポイント3:自宅の相続も大切

小規模宅地の特例は、相続制度の中でも特に重要です。

詳細は別のコラムで解説しますが、この制度は自身や配偶者が居住するご自宅を親族に相続させる場合、本来の資産価値の2割の評価額で計算できる制度。

当然支払う相続税が大きく変わってくるため、必ず検討すべきと言えるでしょう。

ただし、この制度は適用が難しく、生前から様々な問題をパスしなくてはなりません。

専門家や専門機関の助言が活きてくる部分なので、遺言をする前に相談しておくと良さそうです。

 

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