配偶者控除ってどんな制度?控除を受けるにはどうしたら?

相続時に最も注目を集めるのは「配偶者」です。配偶者は特殊なケースを除いて常に法定相続人であり続けるため、被相続人の資産によっては大変な財産を承継します。

ところが、ここで気になってくるのが「相続税」。今後の子育てや老後の生活を考えると、あまり大きな税金を支払うのは困難です。

今回は、そんな配偶者相続に適用される「配偶者控除」をご紹介しようと思います。実は配偶者の場合、適切に申告すれば相続税は軽いのです。

「配偶者控除」とは相続税法19条の2に規定されている、配偶者ならではの特別控除ルールです。

控除額は「1億6000万円もしくは法定相続分のうち、どちらか高い方」と非常に高額。これは平成27年度の相続税控除の減額改正後 も変わらず適用されています。

配偶者控除の対象者

配偶者控除という名の通り、「配偶者」でなければ受けることは不可能です。ここで言う配偶者は「法律上の配偶者」を意味しており、

〇 ケンカ中の配偶者
〇 別居中の配偶者
〇 離婚調停中の配偶者

通常の配偶者はもちろん、上記のような配偶者でも控除を受けることができます。どれほど関係が悪化していようと、法律上「配偶者」であれば問題ありません。

事実婚などはNG!

反面、事実婚や内縁関係の場合は、配偶者控除は認められません。配偶者控除はあくまで「法律上の配偶者」に適用される制度であり、たとえ事実上の配偶者関係があったとしても、現行制度では配偶者控除を受けることができないと考えられています。

無論、最近は事実婚を重視する社会的風潮があり、訴訟を提起した場合に法解釈がどうなるかはわかりません。このあたりの問題は裁判所の判断によるでしょう。

配偶者控除は要申告!

配偶者控除を適用するためには、税務署への申告が必要です。遺産分割を行い相続分の確定が得られたのち、国税庁指定の「相続税申告書 」を記載する必要があります。

また、申告にあたっては同時に下記書類が必要です。確認しておきましょう。

〇 戸籍謄本
〇 遺産分割協議書または法的効力を持つ遺言書
〇 印鑑証明書などこれらに伴う必要書類

配偶者控除の計算方法は?

最後に配偶者控除の計算方法をご紹介 します。こちらは大まかな計算方法を記しただけなの、正確に計算する場合は別途専門機関への相談が必要です。

1、遺産総額を確定する → 相続対象となる資産や負債に加えて、過去3年内の贈与や死亡時保険金等も合算します。

2、課税額を算定する → 非課税部分や基礎控除部分を計算し、相続財産の課税対象を算出します。

3、相続人按分を行う → 取得財産の割合に応じて、支払い相続税の按分を行います。

4、各人の相続税負担額が決定 → 最終的に支払う相続税が決定。この時点で配偶者の持つ「配偶者控除」により、配偶者の負担すべき相続税が軽減されます。(子の相続分に課された税は控除できない)

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