故人の相続どうしたら?相続資産の期限をご紹介!
相続制度には、様々な「期限」が定められています。故人の資産を引き継ぐワケですから、いつまでも権利関係を放置するわけにはいきません。
相続承認や放棄はもちろん、相続税の申告や遺留分の請求まで、全て「期限」が大事です。今回は、そんな相続にまつわる「期限」について、横断的にご紹介しようと思います。
家族が個人となり相続が発生すると、様々な対応に追われます。中でも特に注意したいのは、「法律上期限が定められている」制度の手続き。
具体的には、
〇 相続の諾否
〇 税金の申告
〇 遺留分
が該当します。この3点は期限を守らなければ、取返しのつかない事態に発展します。必ず確認しておきましょう。
相続の諾否
被相続人が故人となった際に、相続人は「相続があることを知った日から3か月以内に」その資産を相続の諾否について意思表示しなくてはなりません。(意思表示をしなった場合、期間経過後は「単純承認」と見なされます)
時折「死亡した日から」と誤った情報が見られます。しかし、正確には「相続があることを知った日から」。
つまり、被相続人が故人となった日が1年前であっても、本人が故人の葬儀を知らなければ相続の諾否を行えます。
なぜこのような制度になっているの?
借金漬けで行方不明となった父が、いつの間にか故人となっていた場合を考えてみましょう。通常こうした状況では、法定相続人である息子が父の死亡を知る術はありません。
仮に相続諾否の起算日が「死亡した日から」と定められていた場合、息子さんは意図せずして莫大な借金を背負う事に。これはあまりにもかわいそうですよね。
税金の申告
相続税には「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から起算して10カ月以内」と、厳格な納期限が定められています。
「死亡した日」ではなく、「死亡を知った日から」と記載している理由は、相続の諾否と同じ理屈であると見るべきでしょう。
相続税も当然税金の1種。支払いを対応すればたちまち「延滞」によるペナルティが課されます。また、相続税は連帯納付なので、滞納者が出た場合はその人の分まで負担しなくてはいけません。
遺留分
遺言による相続が偏り過ぎている場合、兄弟姉妹以外の法定相続人は、遺留分を根拠とした減殺請求が可能です。
ただし、この遺留分にも期限は定められており、
1、相続により遺留分が害されていると知った時から1年以内
2、相続が行われてから10年以内
上記2つのどちらかを満たしていなくてはいけません。遺留分は法的な争いへと発展することも十分に考えられるので、弁護士や相談機関の利用などを考慮し、早めの対応を心がけることが成功の秘訣です。