気になる相続税の控除額。控除はいくらくらい?
相続税の控除には、色々な規定が存在します。詳しくは弁護士や専門機関に相談するのが一番ですが、代表的なものは抑えておきたいところです。
今回は相続税にまつわる制度や控除額について、概要をご紹介しようと思います。
基礎控除とは?
基礎控除は相続人なら誰でも適用される制度です。本コラムでも繰り返し触れてきた部分ですが、計算式は以下の通り。
基礎控除の計算式
〇 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 基礎控除額
具体的な金額は法定相続人の数によりますが、控除額は大きな部類に入ります。ちなみに、基礎控除を経て相続税が課税される資産をお持ちの人は、100人のうち約8人程度 です。
配偶者控除とは?
配偶者控除は文字通り、被相続人の配偶者が受けることができる控除です。被相続人の死後、配偶者の生活を保護する目的で、相続税法19条の2により規定されています。
配偶者控除は、「1億6000万円もしくは法定相続分のうち高い方」が控除額です。最低1億6000万円は控除されるので、よほど多くの財産が残されていない限り、相続税の課税対象となることはないでしょう。
なお、この制度は配偶者なので性別を問いません。仮に主婦である妻が亡くなった場合でも、配偶者である夫は控除を受けることができます。
未成年控除とは?
相続税法19条の3により規定され、未成年者が受けることができる控除額です。未成年は成人するまでの間は収入がないため、生活費確保を目的としています。
未成年控除の計算式は以下の通り。
〇 10万円 × (20才 - 相続人の年齢) = 控除額
端数がある場合は、1年として考え計算します。
障害者控除とは?
障害者控除は相続税法19条の4により規定された、障害者の生活保護を目的とした控除制度です。未成年控除とよく似ていますが、障害者の場合は生涯年齢をベースに計算する点が異なります。
また、障害者はその性質や程度によって、
〇 一般障害者
〇 特別障害者
に分類され、それぞれ異なる控除額が適用される点に注意が必要です。
障害者控除の計算式
〇 10万円 × ( 85才 - 現在の年齢 )
〇 20万円 × ( 85才 - 現在の年齢 )
控除以外にも節税策が
今回は法律上規定されている相続控除について、解説を進めました。相続税を計算する際の重要な指針となりますから、参考にしていただければと思います。
ただし、相続については控除だけでなく、不動産・生命保険等などによる「非課税枠」や贈与を絡めた節税テクニックなど、様々な手法が存在します。
それぞれの資産状況によって適切な運用方法がありますので、「相続税が不安…」という方は、専門家や専門機関への相談がオススメです。