遺言の種類はどんなものがある?それぞれの特徴解説!
遺言には、2方式合計7種類が存在します。ただし、遺言はいずれもその要件を満たさない限り有効なものとは認められません。
遺言は本人の最後の意思ですから、出来る限り慎重に記載したいところです。そこで今回は、遺言の種類や方式を解説し、それぞれの特性を概説しようと思います。
普通方式と特別方式
遺言は普通方式(3種類)と特別方式(4種類)に分類され、それぞれ個別に書式や証人の数が定められています。
普通方式は一般的な遺言形式。下記の3種類が該当します。
〇 自筆証書遺言
〇 公正証書遺言
〇 秘密証書遺言
これに対して特別方式は、疾病や危篤などやむを得ない状況にのみ適用される方式です。あまり利用される機会がないため、ご存じない方も多いかと思います。
〇 死亡危救時遺言
〇 船舶遭難者遺言
〇 在船者遺言
〇 伝染病隔離者遺言
なお、本稿では特にニーズの高い、普通方式について概要をお伝えします。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、文字通り自分の手で筆を取り、遺言を記載する方式です。
全ての文章を自分で書く必要があり、ワープロやパソコン等の使用は認められません。(ワープロで本文を作成し、名前を自筆で書く等の方式もNG)
また、記名と押印が無ければ無効となりますので、注意が必要です。(印鑑は100円ショップのものでも構いませんが、サインはどれほど精巧でも認められません)
なお、自筆証書遺言は後述の公正・秘密と違い証人や公証人が介在しないため、存在そのものが認知されない可能性もゼロではありません。
公正証書遺言
公証人に遺言を作成してもらい、公証役場で保管する方式です。
証人2名の立ち合いのもとに遺言を記すことになりますが、自筆証書遺言と異なり全文を自筆する必要がないため、体力に不安がある方でも問題ありません。
また、公証人が立ち合うために信頼性が非常に高い点もメリット。遺言の正当性を担保したい場合などに用いられます。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、内容を秘密にしたまま存在を証明してもらう方式です。
自筆証書遺言は存在そのものが抹消されてしまうことがありますが、秘密証書遺言は存在自体を公証人が証明するので、確実に存在を知らしめることができます。
ただし、秘密証書遺言は証人2名の立ち合いのもとに手続きを行うため、存在そのものを秘密にすることは不可能です。
また、公正証書遺言と異なり、内容に対する証明を得ることはできません。そのため、内容に致命的な欠陥がある場合、有効なものと認められない可能性もあるでしょう。