不動産の相続において、行うべき相続税対策とは?
不動産の相続は、相続時に多額の相続税が必要となる場合が多いものです。
そのため、不動産を含む財産が相続の対象となる場合は、しっかりと相続税対策を行う必要があるでしょう。
不動産の相続税対策としては、果たして、どのような方法が有効なのでしょうか。
土地のみの不動産の場合は?
不動産には、土地の身の場合と建物がある場合の2つがあります。
まずは、土地の身の不動産が相続の対象となる場合の対策について解説します。
更地となっている土地の場合、相続税対策にはどのような方法があるのでしょうか?
まず、相続する不動産が更地であれば、その土地の評価額というのはそのまま全てが課税対象となってしまいます。
例えば6,000万円の評価額が付けられている土地を相続する場合、法定相続人が1人であれば基礎控除額の3,600万円を差し引いた2,400万円が課税対象となり、15%の税率をかけて50万円の控除額を差し引くため、相続税は310万円となります。
ところが、賃貸用の建物がある場合には、土地の評価額に借地権割合と借家権割合が考慮されるため、土地の評価額はおよそ8割となるので約4,800万円として計算されます。
そこから基礎控除を差し引いて1,200万円となり、税率と控除額を計算すると相続税は130万円に下がります。
賃貸用の建物を相続する場合は、その建物の評価額は建築費用のおよそ60%となるので、不動産以外の財産についても相続税対策となります。
このような違いがあるので、相続対象となる更地がある場合は、なるべく不動産を立てておく事をお勧めします。
すでに建物がある不動産の場合は?
それでは、既に建物が存在している不動産の場合はどうなるでしょうか?
現在建物がある不動産における、相続税対策について考えてみましょう。
まず、相続する不動産が被相続人の居住や事業などのためにこれまで使われていた場合であれば、一定の広さまでは相続税が減額されます。
例えば、実家に住んでいてそのまま相続する場合などは、その用地が330平方メートル以下の場合は相続税が80%減額されることとなります。
また、土地の名義が相続人になっている場合に、その土地を被相続人が事業として貸付していた場合なども適用されます。
その場合であれば、相続税は50%減額されることになります。
相続する不動産が空き家の場合、その家を賃貸にすることでも相続税対策になります。
賃貸の場合、建物評価額から借家権割合などが惹かれる事になるので、家の評価額が5,000万円以下であれば、賃貸にすることで基礎控除に収まるようになり、相続税が課せられないケースも増えてきます。
また、相続される財産が現金であれば、そのまま相続するのではなく不動産の形にすることで相続税対策が可能です。
その場合、ただ土地を買うよりも貸家やアパートなどの賃貸物件に替えた方が、相続税の減額としては効果的でしょう。
大きな都市などでは、相続する土地の評価額は数千万円になる事も珍しくありません。
そうなると相続税も数百万円という大きな金額が課せられることとなるので、それを支払うために土地を手放すことになってしまう場合も少なくはないのです。
無事に不動産を相続できるように、取り得る対策は早い内から取り掛かりましょう。
まとめ
不動産の相続というのは、相続税が高額となりやすいものです。
しかし、その相続税を減額するための手段は、このようにいくつも存在します。
土地だけの不動産と、家も含んだ不動産とでは取り得る対策なども異なってくるので、それぞれの不動産の状態に合った対策を行いましょう。
そうすれば、相続する家族も気兼ねなくその不動産を相続することができるでしょう。