相続は、死亡した順番によってその内容が大きく変わる?

相続というのは、相続人が法律で決められています。
そのため、通常であればその通りに相続していき、相続する財産の割合についても、きちんと決まっています。
しかし、場合によってはこの相続について、非常に複雑となる場合もあります。
それは、どういったときでしょうか?

相続が複雑となるのは?

相続が複雑になってしまうのは、どういうときでしょうか?
それは、親子がそろって同じ時間に亡くなった場合などが当てはまります。
どうして、その場合は複雑なことになるのでしょうか?

例えば、父と子が車に同乗していて、交通事故にあい2人とも亡くなったとします。
この時、父親が先に亡くなった場合と、子どもが先に亡くなった場合では事情が異なってきます。
どのような違いがあるのでしょうか?

まず、父親が先に亡くなった場合ですが、その時は母親と子どもが相続人となるので、その時点で子どもには父親の財産を受け取る権利があります。
その後、子どもが亡くなった際にはその妻や子ども、子どもがいない場合は子どもの母親や兄弟など、相続権の行先は異なるものの、それほど複雑にはなりません。

しかし、子どもが先に亡くなっている場合は少し話が異なります。
まず、子どもにはさらに子がいるかどうかが重要となるのですが、子の子がいる場合はその子に子どもが持つ相続権は移ります。
しかし、子の子がいない場合は、相続権を失うこととなるのです。

子どもには妻がいるものの、子の子はいない場合、まず子どもが亡くなった時点でその財産は妻と父親、もしくは子どもの兄弟に相続権が発生します。
しかしそれに遅れて父親が亡くなった場合、子どもの妻には相続権がないのです。

つまり、子の子がいなければ、先に子どもが亡くなった場合は子どもの財産を他の人も相続した挙句に、父親の財産も相続できないことになります。
たとえほんの数分先に子どもが亡くなっただけでも、このようになってしまうのです。

死亡時刻の違いについては、このように重要となることもあるのですが、その死亡時刻を決定するのは基本的に死亡届に記載されている時間です。
これは死亡診断書に記載された時刻なのですが、通常はこの時間を用いて相続の判断をします。

同時に死亡した場合は?

それでは、同時刻に亡くなったと判断された場合はどうなるでしょうか?
亡くなった時間の違いがはっきりとしない場合、法律上は同時死亡の推定として同時に亡くなったものと判断されます。
その場合の対応について紹介します。

同時死亡とされた場合は、お互いに相続は発生しないこととなります。
なぜなら、相続はあくまでも生きている人を対象としているからです。
そのため、例えば夫婦が同時に死亡したとされた場合、夫婦間の相続はされません。

夫婦間に子どもがいる場合は、その子どもが2人の財産を相続します。
しかし子供がいない場合は、夫の財産を夫の親族が、妻の財産を妻の親族が相続することとなります。

また、同時ではなく妻が先に亡くなった場合は妻の財産を夫が相続し、その後夫が亡くなった際は夫の親族だけが財産を相続することになります。
夫が先に亡くなった場合は、その反対に妻の親族へと財産が相続され、夫の親族は相続できません。

このように、死亡時刻が相続に大きな影響を及ぼすこともあるのです。
ちなみに、脳死状態については死亡と見なすかどうかは特にはっきりとしていないため、その場合もやはり医師によって死亡が告げられた時点で死亡と見なされることになります。

まとめ

相続において、死亡時刻が大きな意味を持つことになります。
それは、相続人と被相続人がともになくなってしまったときの相続する権利の扱いによるものです。
死亡した時間が数分違うだけで、相続する財産が大きく異なってくることもあります。
死亡時刻の違いによる影響をしっかりと把握しておき、トラブルとならないようにしましょう。

無料カウンセリングのご案内

ご自身や配偶者、お子様に相続税の負担が生じるのか、概算であれば相続税納税額を即日または翌日にお伝えする事も可能です。ご希望がございましたら、概算納税額を参考に、不動産・保険を活用した節税や納税対策のご提案のほか、遺言書作成による相続時のトラブル予防などのご提案へと話を進めてまいります。 カウンセリングは一切無料なので、お気軽にご相談くださいませ。