専門家によって解決された相続における揉めごとの事例
相続において揉めごとは付き物です。
ただ弁護士などの専門家がいなければ、相続における揉めごとはもっとエスカレートし、解決しない事例も多くなるでしょう。
したがって今回は、実際ある専門家によって解決された相続における揉めごとの事例をいくつか紹介します。
専門家によって解決された相続における揉めごと事例①
Aさんは祖父を亡くし、両親もすでに亡くなっていたため、孫であるAさんが祖父の財産を受け取ることになりました。
またAさんには兄弟がおり、その兄弟にも当然祖父の財産を受け取る権利があります。
ただこの兄弟は、生前祖父に数々の迷惑をかけてきた人物であり、金銭の要求なども頻繁に行っていました。
この兄弟に祖父の財産を受け取らせることに納得いかなかったAさんは、やむを得ず専門家に相談を持ちかけています。
相談を受けた専門家は、遺産分割調停を申し立て、Aさんが“寄与分”を主張し、兄弟が亡くなった祖父から要求した金銭を“特別受益”として主張する方法を提案しています。
つまりAさんが財産を多めに受け取り、兄弟に法定相続分を受け取らせないような対策を取ったということです。
この方法によってAさんは、兄弟に受け取らせる財産を、法定相続分の7割程度に抑えることに成功しています。
専門家によって解決された相続における揉めごと事例②
姉が1人いるBさんは、ある日母を亡くしました。
父はすでに亡くなっているため、BさんとBさんの姉に母の財産を相続する権利が発生しています。
ただBさんの姉はすでに遠方に引っ越しているため、母と一緒に暮らしてきたBさんは、不動産を相続し、長男である自分が母の財産をすべて受け取ることを希望しました。
ただ姉に法定相続分の受け取りを要求されてしまい、自分だけの力では相続登記や預金の解約が困難になったため、専門家に相談に訪れています。
相談を受けた専門家は、まずBさんに対して法定相続分を要求されるのは致し方ないことだと説明しました。
またBさんは不動産を引き継いでいるため、姉に対して代償分割を行わなければいけません。
つまりBさんは不動産を引き継げる代わりに、現金をあまり手に入れられないということです。
そこで専門家は、Bさんにとって有利な方法で不動産を評価し、できる限り手に入れられる不動産の評価額を高くしようと考えました。
結局Bさんは姉に法定相続分を相続されることになったものの、専門家の提案によって、Bさんが相続した不動産はもっともBさんにとって有利な方法で評価されました。
専門家が上記の事例に介入しなかった場合、どうなっていた?
もし専門家が上記の相続における揉めごとに介入していなかった場合、揉めごとの解決には時間がかかっていたことが予想されます。
例えばAさんの場合、Aさんの“兄弟に財産を渡したくない”という思いと、兄弟の“自分にも財産を受け取る権利がある”という思いがぶつかっています。
したがって、相続人同士では冷静に話し合うことが難しい上に、折衷案を考え出すことも難しかったと言えるでしょう。
またBさんの場合も、もし専門家が介入していなかった場合、泣く泣く姉に法定相続分を渡し、代償分割を行うしかなかったでしょう。
つまり今回紹介した2つのケースは、専門家の力なくして解決には辿り着かなかった相続の揉めごと事例だということです。
まとめ
実際にある専門家によって解決された、相続における揉めごとの事例を紹介しました。
今回の事例のように、相続人だけで揉めごとを解決するのが困難だと感じた場合は、なるべく早く専門家に相談しましょう。
専門家は豊富な知識を持っている上に、解決までの期間がスピーディになるような提案をしてくれます。
もちろん費用はかかりますが、相談することで相続人の負担が軽くなるのであれば、決して高い費用ではないと言えるでしょう。