遺産相続には時間制限がある?その期間とデメリットは?
相続手続きが必要になった時、忙しさから手続きを後回しにしてしませんか?
そのまま相続手続きを忘れてしまうと、気づいた時にはもう手遅れになって青い顔をすることになるかもしれません。
相続手続きの中で、時間に限りがあることとその手続きを忘れた際のデメリットについて、解説します。
時間制限があるのは?
相続における手続きの中には、手続きができる時間制限、いわゆる時効が決まっているものもあります。
主に3つあるのですが、その手続きとはどういったものでしょうか?
まず、相続において時間制限のある手続きとしては、遺産を受け取らないという相続放棄の手続きについてです。
この手続きをする場合は、相続があることを知った時、要するにその被相続人が亡くなったことを知って、かつ自分が相続人であると認識してから3か月以内に手続きをすることと定められています。
自分以外にも相続人がいて、その中で自分が相続する割合が異様に少ないと感じた時には、遺留分減殺請求という手続きができます。
これは、例えば兄弟3人の中で、2人が4割ずつ受け取って自分には2割しかもらえなかった、といったときに使われます。
この遺留分減殺請求は、相続が開始されてから、もしくは不当だと知ってから1年以内に手続きをすることと決められています。
相続が開始されてから1年以上経過していても、それから不当だと知った場合はそこからまた1年の時間制限となるのですが、不当だと知らないまま10年が経過してし待った時点で時効となってしまいます。
最後となる3つ目は、相続税の申告期限です。
相続税の申告については、相続のことを知った翌日を起算日として、そこから10か月以内に申告する必要があります。
相続税は、多くの方が控除の範囲内に収まるので、相続税が発生することになるのはそれなりの資産家に限られるでしょう。
ただし、相続税の特例による控除を受けるのであれば、やはり申告は必須となります。
実際に、相続税の手続きというのは面倒なものが多く、特に不動産を相続する場合は色々と調べなくてはいけないことが出てきたりもするのですが、後回しにしているとすぐに期限となってしまうでしょう。
では、これらの手続きにおいて、放置したまま期限切れとなってしまった場合はどういったデメリットがあるのでしょうか?
手続きごとのデメリットを見てみましょう。
時効となった際のデメリットは?
まず、相続放棄の手続きができなかった際のデメリットを考えてみましょう。
相続は、されることが基本です。
黙っていれば相続が行われないのではなく、相続を認めたこととなります。
となると、相続放棄の時間制限が過ぎてしまうと、もはや拒否はできなくなるのです。
通常であれば問題はないでしょう。
しかし、例えば相続する財産が負債ばかりであれば、その負債を返済すると認めたことになってしまうのです。
負債を相続しないためには、忘れずに相続放棄の手続きをしなくてはいけません。
遺留分減殺請求については、ただ自分が相続する財産が少ないと訴える機会を失うだけなので、大きな問題はありません。
しかし、もし請求するのであれば、早いほうがいいでしょう。
遺留分について、請求しないまま時間が過ぎてしまうと、他の相続人はすでにその財産を使ってしまう可能性があります。
例えば、そのお金を頭金にして住宅ローンを組んでしまっていた場合、今更返せと言われても難しくなってしまうでしょう。
早いうちに請求したほうが、他の相続人とのトラブルも少なくなるので、あまりギリギリにならないようにしましょう。
相続税の申告を忘れると、特例の控除が受けられなくなります。
その結果、本来は納めなくてもいい相続税を納めることになってしまうかもしれないので、相続税の申告が必要な場合は早めに行ったほうがいいでしょう。
まとめ
相続の手続きには時間が制限されているものもあるので、手続きをするのはなるべく早い方がいいでしょう。
もし忘れてしまうと、デメリットが大きい場合もあるため、後回しにするのは避けておいた方が無難です。
手続きに躓くようなら、専門家に依頼するのがおすすめです。